アキレス腱障害について
今回からは、非常に面白い本があったので何回になるかわかりませんが内容を紹介したいと思います。
アキレス腱障害についてですね。
まず、解剖から
下腿三頭筋は筋線維と腱膜が三次元的に重なり合う複雑な構造をしています。
内側頭は半羽状構造
外側頭は羽状構造
ヒラメ筋はバリエーションに富んだ構造をしており、marginal、posterior、anteriorに区分されているそうです。
アキレス腱は人体における最大の腱組織で
歩行時には体重の約4倍
走動作時には体重の約12.5倍
の負荷が加わっているとのことでした。
そして
アキレス腱障害のキーワードは内側頭、外側頭、ヒラメ筋が踵骨隆起に付着する際の捻れです。
この捻れは個人差があり、踵骨隆起付着部付近の横断面の腱線維方向の配列や踵骨隆起のフットプリントから
①軽度 約50%
②中等度 約43%
③重度 約7%
この捻じれがあることによって、異なる部位の筋群が関節運動時に同範囲で効率よく力を発揮することができ、腱内の異なるstrain(緊張)を軽減し、筋が効率よく力を発揮することが可能となっているそうです。
アキレス腱症の好発部位は
アキレス腱踵骨付着部から近位2cm〜6cm
(内側>外側)
要因
①近位2cm〜6cmは血流供給が少ない
②アキレス腱の横断面積が少ない
③足部過回内
④捻じれ構造(軽度、重度タイプ)
研究では、踵骨回内時に軽度、重度のタイプのヒラメ筋の停止腱膜のstrainが大きくなるとの結果が出ているそうで、捻じれのタイプでアキレス腱症の発生リスクが高まる可能性があるそうです。
※血液供給
捻じれの概念って全然なかったですね、、、
次はもう少しアキレス腱付着部の解剖や病態について臨床スポーツ医学から書いていきたいと思います。
引用
臨床スポーツ医学 2020 7
アキレス腱障害を克服する