アキレス腱障害について③
おはようございます。kiteibuです。
今日も臨床スポーツ医学から学んだことを書いていきます。
アキレス腱障害に対する主な保存療法のエビデンス
が載っています
1.エクササイズ A
2.患者教育 B
3.ストレッチング C
4.徒手療法 F
5.インソール D
6.テーピング D
7.イオンフォレシス B
8.体外衝撃波 C
9.低出力レーザー D
(A → F )
(強 弱)
アキレス腱障害に対する運動療法では強いエビデンスだけではなく、足関節可動性やアライメント改善を目的とした運動療法、徒手療法も組み合わせながら行うべきと記載があります。
アキレス腱に対するストレスの軽減
1.アライメントの正常化
ベッド上
足関節背屈時に足部が内返しする例
↓
正常であれば距腿関節は背屈時に骨性の支持を得るが、足部が内返しすることにより、距腿関節の骨性の支持が得られず不安定となり、アキレス腱からのストレスが増加する
↓
背屈時に足部外転を促すと骨性の支持が得られる
荷重時
足関節背屈時に安定性がないため、足趾を屈曲してバランスをとる
↓
実際の荷重時には足部を外転させることで安定性を確保しようとするが、正常な運動連鎖ではないため、内側縦アーチの過度な低下を招く
↓
足関節背屈時の正常な運動連鎖は
下腿内旋→距骨内旋、後方滑り→足部外返し
→足趾伸展
これらのアライメントや可動性を改善させることが重要とのことでした。
2.腱の滑走性を正常化
滑走を阻害する因子
1足関節底屈筋力の低下
2腱組織の異常
3腓腹筋過緊張
4踵骨の内返し、外返しの制限
5.アキレス腱と長母趾屈筋の間の脂肪体(底屈時に侵入)の癒着
それぞれの手技で行うが、ストレッチはアキレス腱は捻じれ構造であるため足部の向きや膝の向きで伸長される部位が変化するので注意
3.アキレス腱の剛性の向上
一度変性が起きたアキレス腱は剛性が低下する
痛みの改善と障害部の治癒には関係ないことが示唆されており、障害腱は正常部の断面積を増加することにより障害部を代償する可能性があるので、障害部の治癒促進というよりかは、正常部の強化を行うことに主眼を置いた方が良いとされるとのことでした。
目標としては、踵骨部へ加えた徒手抵抗に対して、足関節最大底屈位を保持出来るか判定するとのことでした
すごい勉強になりました。
腱鞘炎や付着部炎は、セラピストも苦手な人が多いですよね。ここの疾患をしっかり施術できたら、、
ではまた。
参考文献
臨床スポーツ医学2020.7