肘部管症候群の施術

こんにちは、kiteibuです。

 

今日は肘部管症候群についてです。

 

今ちょうど私がみている患者で、肘部管症候群の方がいて、どんなところにアプローチしているか紹介したいと思います。

 

肘部管症候群とは

(解剖)

尺骨神経は上腕で内側筋間中隔の背側を遠位に走行し、肘関節内側で肘部管と呼ばれる骨と靭帯で形成されるトンネルを通過する。

肘部管は

床 尺骨神経溝(内側上顆後方)

屋根 

近位 滑車上肘靭帯

遠位 尺側手根屈筋の上腕頭と尺骨頭で形成されるオズボーン靭帯

(原因)

肘を90°屈曲すると肘部管の圧は約3倍に増加する。

外反肘、OA、ガングリオン

 

標準整形外科より

 

実際の絞扼部位は肘部管だけではなく、

①尺側手根屈筋の2頭の間

②肘部管

③内側上顆

④筋間中隔

⑤struthers arcade

あると報告されています。

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そしてこの患者は⑤struthers arcadeにチネルを認めました。

struthers arcadeの解剖はこんな感じ

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struthers arcadeとはなにかというと

上腕三頭筋内側頭と上腕遠位深筋膜の肥厚部、上腕内側筋間中隔、上腕筋停止部より起始する内側上腕靭帯により構成される伸展性に乏しい筋膜様のトンネルで、このトンネル内を尺骨神経が通過するわけなんですが、上腕三頭筋内側頭の前を尺骨神経が通過しているので、上腕三頭筋内側頭の膨隆で圧迫することがあるそうです。

Struthers’arcade での尺骨神経絞扼により肘内側部痛を 呈した一症例 ~超音波画像診断装置を用いて~

より

 

なのでこういう症例には、上腕三頭筋内側頭のリラクゼーションが有効と思われました。

 

実際に患者さんも徐々に痺れ、痛みが軽減しています。筋萎縮はないので、注意してみていきたいと思います。

 

ではまた。

 

参考文献

肘部における絞扼性神経障害の解剖学的病態と手術方法の選択

Struthers’arcade での尺骨神経絞扼により肘内側部痛を 呈した一症例 ~超音波画像診断装置を用いて~

標準整形外科