椎間関節性腰痛
本日は腰椎椎間関節性腰痛について書いていきます。
まず椎間関節の機能解剖ですが
①過剰な椎間の動きを制御
腰椎の全圧縮荷重の18%を受けるとされる。
前屈、後屈の状態により全荷重の0〜33%に変化
回旋荷重に対しては椎間関節(2つ)が約40%の荷重を分担との記載があります。
②神経支配
腰神経後枝内側枝(1つレベルと当該椎間レベル)
例)L4.5椎間関節の神経支配は、L3、L4の腰神経後枝内側枝
③椎間関節の構造物(半月板様)
楔状に肥厚した関節包、上部、下部に突出した滑膜ヒダがある
上腹側、下背側の滑膜ヒダ(脂肪、血管含む)
『腰椎椎間関節関節障害より』
また一般的に椎間関節痛は後屈での痛みを呈しますが、椎間関節の運動抑制には椎間板の最外層の線維輪が担っているため、
椎間板の変性 → 関節の遊びが大きくなる
→ 椎間関節に荷重を受けやすくなる
更に椎間関節については
①椎間関節は軸方向の荷重を受ける
②腰椎後屈時は軸方向荷重の平均16%の荷重を受けるが、脊椎変性があると70%程の荷重を受ける
③椎間関節は滑膜関節であるため、メカノレセプター(機械的な刺激を感知)や侵害受容器(痛みを感知や効果器の役割)が存在しており、正常可動域を超えるストレスが関節にかかると関節損傷に対する警告信号を発生させる。
椎間関節痛となる病態
①機械的ストレス
②外傷後の微小関節内骨折
③関節症性変化
④meniscoid(半月板様)の陥屯
⑤関節滑膜の炎症、嚢胞
『腰椎椎間関節由来の腰痛の病態と治療』より
という事で疼痛のメカニズムの一部を論文からご紹介しました。
椎間板の受けるはずの荷重のストレスを、椎間板が変性したことによって椎間関節がストレスを受け痛みが発生することが多い様です。
更に椎間関節と脊柱起立筋は同じ脊髄神経後枝の支配を受けるため、起立筋に疼痛があるように感じたり、患者自身がピンポイントではなく、エリアで痛みを訴えてくるケースも多い様でした。
次回に続きます。ではまた。